グラフィックデザイン|Hand-Heart 2025年 巳年グリーティングカード

Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)の2025年・巳年の年賀カードが、2026年ドイツ・レッドドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)を受賞しました。「蛇の脱皮」を中心のモチーフに据え、引き出し式のカードスリーブで、蛇が脱皮して生まれ変わる過程を描いています。中には蛇の鱗の紋様を受け継ぐ3種類の紅包(お年玉袋)を収め、箔押しと鮮やかな配色で祝福、温かさ、そして限界を突破する力を表しました。新しい一年へ踏み出すエネルギーを届けるカードで⁠す⁠。

reddot winner 2026 レッドドット・デザイン賞 受賞マーク

2026年 ドイツ レッドドット・デザイン賞 Red Dot Winner
本作品は、2026年ドイツ・レッドドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)を受賞しました。Hand-Heart は、どの案件にも同じ物差しで向き合うべきだと考えています。年賀カードも大規模なコーポレートアイデンティティ(CIS)のプロジェクトと同じく、コンセプトの発想から素材選び、印刷加工まで一つずつ検証しています。Hand-Heart の受賞歴をすべて見る →

Design Concept

Hand-Heart の2025年・巳年の年賀カードに込めたものと⁠は⁠?

2025年を振り返ると、Hand-Heart の年賀カードは「蛇」を中心のモチーフに据えていました。カードスリーブを引き出す仕掛けで、蛇が脱皮し、姿を変えていく過程を描いています。層を重ねるように移り変わる蛇の紋様には、その一年、挑戦に向き合いながら自らを解体し、組み立て直し続けた私たちの姿も映し出されていま⁠す⁠。

スリーブと3種類の紅包で、蛇の脱皮をどう表したの⁠か⁠?

中に収めた3種類の紅包(お年玉袋)は、蛇の鱗の紋様を受け継ぎ、それぞれ異なる色で2025年への思いを表しています。
赤系の地に箔押しの鱗を重ねたものは祝福と温かさを、鮮やかに弾む蛇の紋様の配色は、限界を突破する力、創造、そしてまだ見ぬ未来を表していま⁠す⁠。

祝福を形だけで終わらせず、新しい一年へ向かうエネルギーにつなげたいと考えまし⁠た⁠。

この年賀カードは、コンセプトから完成までどう進んだの⁠か⁠?

2024年12月11日(ファイルの日付による)のデザイン検討では、二つのコンセプトの方向性が示されました。一つは、外袋を破って開く動きで蛇の脱皮を表し、開くと中から紅包が現れる案です。もう一つは銀色の蛇とリンゴを組み合わせた案で、中国語で「もったいなくてかじれない」を意味する言葉と音が通じる「蛇不得咬」という語呂合わせから発想しています。続く12月18日には、5種類の地色に金と白の2層の図柄を重ね、ランダムに組み合わせて異なる紋様をつくる方法を試しまし⁠た⁠。

同じくファイルの日付で見ると、12月25日にはスリーブを引き出し式の構造として提示し、グレー地とブラウン地の2通りで引き出したときの見え方を示して、紅包との組み合わせも確かめています。12月30日には、紅包を3組に整理しました。扇形の鱗紋を用いた深紅とコーラルレッドの組、円形の鱗紋を用いた青紫とマゼンタの組、そしてオレンジとマゼンタの鱗紋を用いた組です。このページの完成品と見比べると、グレーのスリーブの表面には白と金の鱗で構成した蛇の姿が印刷され、側面には「PLEASE PULL」と記した円形のつまみが付いています。3種類の紅包のうち、赤系に箔押しの鱗紋を施した2点は扇形の鱗紋の組に近く、マゼンタ、イエローグリーン、白の円形の鱗紋で構成した1点は、円形の鱗紋の組のマゼンタ版に近いもので⁠す⁠。

この事例は、どんな年賀カードづくりの参考になるの⁠か⁠?

年賀カードづくりで次のような状況にある場合は、この事例の進め方を参考にできま⁠す⁠。

  • 毎年のカードに新しさを出したい場合は、地色に金と白の図柄を重ねていく紋様の試作を参考にできま⁠す⁠。
  • カードの形式と加工をあわせて決めたい場合は、引き出し式のスリーブと、紅包に施した箔押しの鱗との組み合わせも参考になりま⁠す⁠。

参考にする際は、まず紋様を試作し、そのあとで引き出し構造と箔押しの組み合わせを検討する順に進めるとよいでしょ⁠う⁠。

この年賀カードのビジュアルデザインには、蛇の鱗の紋様、引き出し式のスリーブ、紅包の箔押しの鱗が含まれま⁠す⁠。

平面設計|手心設計 2025年 蛇年賀卡 Hand-Heart Design Lunar New Year Card Design|手心設計事務所(作品圖 1)
平面設計|手心設計 2025年 蛇年賀卡 Hand-Heart Design Lunar New Year Card Design|手心設計事務所(作品圖 2)
平面設計|手心設計 2025年 蛇年賀卡 Hand-Heart Design Lunar New Year Card Design|手心設計事務所(作品圖 3)
平面設計|手心設計 2025年 蛇年賀卡 Hand-Heart Design Lunar New Year Card Design|手心設計事務所(作品圖 6)

完了時期
ゼネラルマネージャー
プロジェクト企画
デザイナー
書体

2024.12
徐志揚
王彥筑
吳冠賢、蘇筱雯、葉子豪
Morisawa Arphic(森澤文⁠鼎⁠)

ブランド応用デザイン|国家資通安全研究院(NICS)

Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)は、国家資通安全研究院(NICS)のブランド応用デザインを担当しました(2025年完了)。既存のロゴを変えないことを前提に、その六角形をもとに補助グラフィックの識別システムを構築しています。「防護シールド、保護のチェーン、両手とハート」のイメージを取り入れ、理知的で硬くなりがちな情報セキュリティの専門性を、温かみのある「守られている」という感覚で伝えています。さらに色彩計画、ピクトグラム、書籍のエディトリアルデザイン、プレゼンテーション規定へと展開し、一貫性があり長く運用できるブランド応用システムを整えていま⁠す⁠。

Design Concept

国家資通安全研究院は、国の情報セキュリティ技術力の向上と、情報セキュリティ技術の研究開発・応用の推進を担う行政法人です。同院にはすでにロゴがあり(このロゴは Hand-Heart の制作物ではありません)、これまで視覚面では技術的な印象や現代性に欠けるという課題を抱えていました。既存のロゴを変えないことを前提に、私たちはブランドの本質から出発してコミュニケーションの方向性を整理し直しました。「科学技術と技術力」「市民への親しみやすさ」「安全と安心」を理念にとどめず、目で見て感じ取れる視覚言語にしています。
政府機関にありがちな伝統的で堅い印象を払拭するため、既存ロゴの六角形をもとに、グラデーションと構造の変化で技術を感じさせる視覚的なリズムをつくりました。あわせて「防護シールドと保護のチェーン」「両手とハート」のイメージを重ね、補助グラフィックによる識別システムを構築しています。これにより、理知的で硬い印象を与えがちな情報セキュリティの概念と機関のロゴを、温かみのある「守り」の感覚で表現できるようになり、ブランドとして展開できる余地も生まれました。この視覚言語を一つの図形にとどめず、さまざまな場面に対応できるシステムへと発展させています。補助グラフィックによる識別システムを整え、「安心・安全・安定・レジリエンス」という価値を、どの応用でも一貫して明確に伝えられるようにしました。
私たちが NICS のために構築したのは、個々の視覚要素ではなく、長く運用できるブランドアイデンティティの応用システムです。色彩計画、補助グラフィック、ピクトグラムのデザインから、書籍のエディトリアルデザイン、プレゼンテーション規定まで、受ける印象は一貫させながら表現には幅を持たせた識別システムによって、媒体や場面が変わってもブランドの識別性と親しみやすさを保てるようにしています。

ロゴを変えずに、NICS は何を解決する必要があったの⁠か⁠?

NICS が向き合っていた課題は三つありました。既存のロゴは変えないこと、視覚的な印象が古くなっていること、そして伝統的で堅い印象を持たれがちな一方で、市民への親しみやすさも求められていることで⁠す⁠。

  • NICS にはすでにロゴがあり、Hand-Heart の制作物ではありません。このロゴを変えないことが、本プロジェクトの前提でし⁠た⁠。
  • 2024年8月の補助グラフィックの初稿では、まず既存のグラフィックに必要な更新の方向性を整理しました。技術的な印象を強めることも、その一つで⁠す⁠。
  • 政府機関には伝統的で堅い印象がつきまといがちで、NICS のブランド応用には市民への親しみやすさも求められていまし⁠た⁠。

NICS のブランド応用の要件は、どのように整理されたの⁠か⁠?

まず事前のヒアリングと調査を通じて、NICS の要件を「科学技術と技術力」「市民への親しみやすさ」「安全と安心」の三つの方向に整理し、同院の五つの中核価値である安全、技術、主体性、レジリエンス、信頼とそれぞれ対応づけました。この三つの方向が、その後すべての補助グラフィック案を検証する基準になっています。第1版の初稿では、テクノロジーパネル、情報のチェーン、グラデーションといった情報を表す記号を出発点に、デザイン思考で形を変換し、4種類の補助グラフィックを展開しまし⁠た⁠。

補助グラフィックは、二つの方向性からどう一つのシステムにまとまったの⁠か⁠?

2024年8月の第2版の初稿では、二つの方向性を提示しました。A案「信頼を共に築き、安全をスマートにつなぐ」は、ブランドの六角形を変形させ、グラデーションで市民とのつながりを感じさせる個性を表したものです。ロゴを手やバックル、チェーンと組み合わせて「安全」を、包み込むように抱く形や信号と組み合わせて「安定」を、屋根の形の盾や両手で包んだハートと組み合わせて「安心」を表しています。B案「世代をつなぎ、安全を守る」は、既存の造形を単位に分解し、デジタル記号として組み直すことで、デジタル世代を守るという意味を込めまし⁠た⁠。

このページに掲載した完成形と見比べると、ロゴに手やチェーン、ハートなどを組み合わせたアイコンや、六角形のグラデーションから展開したグラフィックが見られます。正式なシステムに引き継がれているのは、A案の六角形のグラデーションと、「安全・安定・安心」の三つの場面を表すイメージで⁠す⁠。

ガイドラインとプレゼンテーションのテンプレートは、どのように仕上がっていったの⁠か⁠?

補助グラフィックが固まった後、補助グラフィックの規定、ブランドの色彩計画、書籍の規定を一つのガイドラインにまとめました。2024年8月末(ファイルの日付による)に第1版が完成し、9月の版でプレゼンテーションのテンプレートを加え、10月上旬には第5版まで進めています。その間、書籍の表紙や広告のシミュレーションも並行して試作しました。このページで見られる応用例は、文書のレイアウト、書籍『企業網路安全指引』(企業向けネットワークセキュリティの指針)の表紙、プレゼンテーションのテンプレート、ウェブページの画面、バナースタンドで⁠す⁠。

NICS の補助グラフィックとガイドラインは、それぞれ何のためのもの⁠か⁠?

補助グラフィックは技術的な印象と市民への親しみやすさという要件に応えるため、ガイドラインは書籍やプレゼンテーションなどの応用で一貫性を保つためのもので⁠す⁠。

  • 補助グラフィックは既存ロゴの六角形を基礎に、グラデーションと構造の変化を加えています。視覚的に技術的な印象が足りないという課題に応えるためで⁠す⁠。
  • 提案の A案は、六角形の変形とグラデーションで市民とのつながりを感じさせる個性を表しました。IT企業にありがちな冷たいイメージから抜け出すことが、その狙いで⁠す⁠。
  • 完成形と見比べると、システムには A案の三つの組み合わせのイメージが引き継がれ、「安全」「安定」「安心」をそれぞれ表していま⁠す⁠。
  • A案・B案とも「科学技術と技術力」「市民への親しみやすさ」「安全と安心」の三つの方向に沿って設計しており、提案には A案で安心・安全・安定の感覚を表すことが明記されていま⁠す⁠。
  • 補助グラフィックの規定、色彩計画、書籍の規定を一つにまとめ、プレゼンテーションのテンプレートも加えました。媒体が変わっても識別性と親しみやすさを保つためで⁠す⁠。

NICS の事例は、どのような機関や法人の参考になるの⁠か⁠?

機関や組織が次のような状況にある場合は、NICS の事例の進め方を参考にできま⁠す⁠。

  • 既存のマークは残したいものの、文書やプレゼンテーション資料が古く見える場合は、マークの形をもとに補助グラフィックを展開する方法を参考にできま⁠す⁠。
  • 業務が技術寄りで理性的な印象を持たれがちな一方、市民には身近に感じてほしい場合は、まず要件をいくつかの方向に整理し、それぞれのグラフィックで応えていく進め方が参考になりま⁠す⁠。
  • 書籍、プレゼンテーション資料、ウェブサイトを別々の担当者が制作している場合は、補助グラフィック、色彩計画、書籍の規定、プレゼンテーションのテンプレートを一つのガイドラインにまとめる方法を取り入れてみてはいかがでしょう⁠か⁠。

参考にする際は、まず要件を整理し、次に補助グラフィックを展開して各グラフィックがその要件に応えているかを確かめ、最後に色彩・書籍・プレゼンテーションの規定をまとめる順に進めるとよいでしょ⁠う⁠。

既存のロゴを生かして補助グラフィックと応用規定を展開する考え方は、コーポレートアイデンティティ(CIS)のページで紹介していま⁠す⁠。

品牌應用設計|國家資通安全研究院 National Institute of Cyber Security|手心設計事務所(作品圖 2)
品牌應用設計|國家資通安全研究院 National Institute of Cyber Security|手心設計事務所(作品圖 3)
品牌應用設計|國家資通安全研究院 National Institute of Cyber Security|手心設計事務所(作品圖 5)
品牌應用設計|國家資通安全研究院 National Institute of Cyber Security|手心設計事務所(作品圖 1)
品牌應用設計|國家資通安全研究院 National Institute of Cyber Security|手心設計事務所(作品圖 6)

完了時期 ゼネラルマネージャー プロジェクト企画 デザインリーダー デザイ⁠ナ⁠ー

2025.12 徐志揚 蕭婉智、呂宜家 李奕臻、潘東 吳俊賢、黃胤展、謝心怡、王⁠啓⁠明

ブランドリニューアル|RAYFU × 震南鐵線

Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)は、RAYFU 瑞滬企業と震南鐵線のブランドアイデンティティの刷新を担当しました。ブランドワークショップで企業の中核価値を整理し直し、「品質第一・熱意あるサービス・継続的改善」を新しいロゴタイプとブランドビジュアルに落とし込んでいます。30年以上にわたって製造に携わってきた企業を、実績を認められたサプライヤーから、はっきりと識別されるブランドへと位置づけ直すプロジェクトです。デザインの範囲は、瑞滬企業と震南鐵線のロゴタイプ、ブランドカラー、商標の完成データと使用規定、そして公式サイトのキービジュアル3点で⁠す⁠。

 

Design Concept

RAYFU 瑞滬企業が、ブランドアイデンティティを見直した理由と⁠は⁠?

RAYFU 瑞滬企業と震南鐵線は、ねじなどの締結部品(ファスナー)の分野に30年以上携わってきました。線材の生産からねじの製造、世界各地への輸出まで一貫したサプライチェーンを築き、M.I.T.(台湾製)の製品で国際市場を開拓し続けています。企業規模とグローバル展開が拡大するにつれ、既存の商標とブランド資産では、企業の専門性やブランドのポジショニングを十分に表せなくなっていました。そこで Hand-Heart Design Firm は、ブランドワークショップと詳細なインタビューを通じてブランドの中核価値と今後の方向性を整理し直し、現在の成長段階に見合ったブランドアイデンティティシステムを構築しまし⁠た⁠。

品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 1)

新しいロゴタイプは、「品質第一・熱意あるサービス・継続的改善」をどう表しているの⁠か⁠?

ブランドリサーチを進めるなかで、RAYFU の強みは成熟した製造技術だけでなく、長年培ってきた企業文化にもあることが見えてきました⁠——品質への高い要求、顧客の要望への積極的な対応、そして工程とサービスを磨き続ける姿勢です。そこで「品質第一・熱意あるサービス・継続的改善」という三つの中核価値にまとめ、ブランドの視覚言語に落とし込みました。新しいロゴタイプは、安定感のある角張った字形で専門性と品質を伝え、角の丸みでサービスの温かさを表しています。締結部品の線材を思わせる造形を取り入れて改善と成長を続ける姿勢を象徴させ、落ち着いた RAYFU ブルーで、信頼できる国際的なブランドイメージを築いていま⁠す⁠。

デザイン説明によると、角張った字形は安定感を生み、角の丸みは温かなサービスを表し、字形全体からは効率とスピード感も伝わります。欧文には輪郭がはっきりして読みやすいサンセリフ体を用い、ねじ製品の堅牢さと耐久性に呼応させています。ロゴタイプはブルーとグレーの2色で構成し、下に正式社名 RAY FU ENTERPRISE CO., LTD. またはスローガン QUALITY・ENTHUSIASM・SERVICE を組み合わせることができます。ブランドカラーは RAYFU ブルー(Pantone 2985U)とし、Pantone Cool Gray 10U のグレーを合わせていま⁠す⁠。

ブランドアイデンティティを、公式サイトのキービジュアルにどう広げたの⁠か⁠?

ロゴタイプと色が決まった後、同じデザイン言語を公式サイトのキービジュアル3点に展開しました。「HIGH QUALITY PRODUCTS」は拡大したねじを主役に、リズムのある配置と金属の質感で精度と品質へのこだわりを表し、背景にはロゴの幾何学的な角のカットを入れています。「BEST POSSIBLE VALUE」は、ロゴの線を道路や産業のネットワークに見立て、建築、交通、テクノロジー、製造の場面をつなぎ合わせて都市の風景を描きました。ねじは、都市の営みを支える結節点のような存在として描かれています。「CONTINUOUS IMPROVEMENT」は、ねじと太陽光発電設備を組み合わせてグリーンエネルギー産業での製品の用途を示し、前へ伸びる線で技術の継続的な進化を象徴していま⁠す⁠。

ワークショップから最終データまで、デザインはどのように固まっていったの⁠か⁠?

2024年2月下旬(ファイルの日付による)に、マークの微調整とロゴタイプの初稿案を提案し、瑞滬企業のブランドワークショップを行いました。3月からは欧文ロゴタイプと公式サイトのキービジュアルの方向性をあわせて提案し、5月までに初稿案を第3版まで作成しています。5月から7月にかけてのブラッシュアップ段階では、ロゴタイプとキービジュアルを第3版まで修正し、キービジュアルはさらに単独で第5版まで調整しました。8月には震南鐵線のロゴタイプのブラッシュアップ案をまとめ、両社の商標の完成データ・使用規定と、ロゴタイプのアイソレーション(周囲に確保する余白)も整理しています。プロジェクトは2025年1月に完了しまし⁠た⁠。

今回のブランドアイデンティティの刷新は、ロゴタイプを新しくするだけのものではありません。30年以上にわたって積み上げてきた専門性、品質、信頼を、見分けがつき、受け継いでいけるブランド資産へと変えるためのものです。新しいアイデンティティで、より明快で一貫したブランドイメージを築き、製造力で市場に認められてきた RAYFU が、国際的な識別性と長期的な価値をもつブランドへと発展していくことを後押ししま⁠す⁠。

RAYFU のロゴタイプとキービジュアルは、それぞれ何を伝えようとしているの⁠か⁠?

RAYFU のロゴタイプは専門性、サービス、継続的改善を伝えることを意図してデザインし、公式サイトのキービジュアルはロゴタイプとロゴの造形を展開したもので⁠す⁠。

  • ロゴタイプの角張った構造は、専門性と品質を伝えるためのものです。デザイン説明では、角の丸みが温かなサービスを表すとしていま⁠す⁠。
  • ロゴタイプには締結部品の線材の造形を取り入れ、企業が改善と成長を続ける姿勢を象徴させまし⁠た⁠。
  • ロゴタイプは RAYFU ブルーとグレーの組み合わせです。RAYFU ブルーには、信頼できる国際的なブランドイメージを築く意図がありま⁠す⁠。
  • 公式サイトのキービジュアル3点では、ロゴタイプの線とロゴの幾何学的な角のカットを画面のなかに展開していま⁠す⁠。

RAYFU の進め方は、どのような企業の参考になるの⁠か⁠?

企業の商標やブランドの展開方法を見直している場合は、RAYFU の進め方を参考にできま⁠す⁠。

  • 製造業として海外市場へ事業を広げ、ブランドのポジショニングを見直す必要がある場合は、まずワークショップで中核価値を整理する進め方を参考にできま⁠す⁠。
  • 2社のアイデンティティを同時に刷新する場合は、会社ごとに商標の完成データと使用規定を整える方法が参考になりま⁠す⁠。

参考にする際は、まず価値を整理し、そのあとでロゴタイプ、応用展開へと進めるとよいでしょ⁠う⁠。

価値の整理からロゴタイプ、応用展開までの進め方は、ブランドリニューアルのページにまとめていま⁠す⁠。

品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 2)
品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 7)
品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 5)
品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 4)
品牌識別更新|瑞滬企業 × 震南鐵線 RAYFU × Chen Nan Iron Wire Rebranding|手心設計事務所(作品圖 3)

完了時期
プロジェクト企画
デザインリーダー
デザイ⁠ナ⁠ー

2025.01
蘇連捷、王彥筑、蕭婉智
潘東
楊千瑩、林⁠采⁠霓

サインシステム計画|SanFar Property

Design Concept

SanFar Property(三發地產/三發建設)の住宅プロジェクトのサインシステムは、Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)が担当しました。範囲は、共用施設のサイン、エレベーターと各階の表示、そして地下駐車場の車路誘導と色彩計画です。このシステムは、複数の住宅プロジェクトで共通して使うことを想定して計画しています。デザインは「流れる音」をコアコンセプトに、層状に重ねた釉彩ガラスと、フロアごとに変わる色彩を用いまし⁠た⁠。

SanFar の住宅プロジェクトで、サインシステムが解決すべき課題と⁠は⁠?

SanFar の住宅プロジェクトのサインシステムには、複数プロジェクトでの共通化、地下駐車場の誘導、共用施設のわかりやすさという三つの課題がありまし⁠た⁠。

  • 同じ規定を複数のプロジェクトで使うため、棟名の立体文字などの素材や、駐車区画の全長・全幅は、プロジェクトごとに調整する必要がありま⁠す⁠。
  • 地下駐車場には車路の吊り下げ式サインと車路信号があり、B1からB7までの各階に対応するフロアカラーを設定していま⁠す⁠。
  • フィットネスルーム、バンケットルーム、ピアノ室、シェアキッチン、親子ルームなどの共用施設には、別途アイコンを一式デザインしまし⁠た⁠。

SanFar のサインシステムは、どんなコンセプトから生まれたの⁠か⁠?

流れる音⁠——音楽と文化が交わる⁠場⁠所

都市の日常のなかで、音楽は水のように形をもたずに流れ続け、文化と空間、そして人々の暮らしの記憶をつないでいます。この発想から、「音楽」と「水」をサインシステムの設計言語に据えました。都市のなかで文化が行き交い、溶け合い、受け継がれていくことを象徴し、SanFar が掲げる「安心して暮らせる住まい」という考え方にも呼応しています。空間を単なる住まいにとどめず、文化と感情を受け止める生活の場にしたいと考えまし⁠た⁠。

2024年3月7日の初稿案では、音楽、文化、安心、サステナビリティという四つのブランドキーワードから、三つの方向性を展開しました。A「建築のなかで響き合う音楽」、B「音楽と建築が重なり合い、暮らしの軌跡を照らす」、C「流れる音⁠——音楽と文化が交わる場所」です。2024年6月4日のブラッシュアップ案ではC「流れる音」だけを残し、音楽と水に共通する流れ、揺らぎ、変化、吸収と融合を設計言語として整理しまし⁠た⁠。

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ガラスで流れと共鳴を⁠表⁠す

ガラスの透明感と、重ねることで生まれる奥行きを生かし、音楽と文化、そして生命の起源を結びつけました。層状に重ねたガラスを光が通り抜けるときの屈折や陰影の変化で、水の波と音の波が交わり、共鳴する流れを描いています。サインは方向を示すだけでなく建築空間の一部となり、文化が流れ続ける生命力を伝えま⁠す⁠。

SanFar のサインシステムには、どのようなサインがあるの⁠か⁠?

システム全体は、設置場所と用途に応じてAからKまでの11種類に分かれます。地下入口の自立型サイン、車路上部の吊り下げ式誘導サイン、共用部の壁付けサイン、エレベーター脇の突き出しサイン、バックヤードの壁付けサインのほか、階数の立体文字、棟名の立体文字、柱の誘導サイン、2種類の壁面誘導サイン、車路信号があります。共用施設には別途アイコンを一式デザインし、フィットネスルーム、バンケットルーム、ピアノ室、カラオケルーム、シェアキッチン、親子ルーム、閲覧スペース、キッズルームなどに対応させまし⁠た⁠。

ガラスのサインは、厚さ5mmのグレーガラス2枚にそれぞれデジタル釉彩印刷を施して貼り合わせたもので、釉彩面は内側の接着層に収まっています。これを、温白色のライン照明を内蔵した黒い金属部材で固定していま⁠す⁠。

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色彩で空間の旋律をつ⁠く⁠る

色彩計画は、「音と色」の知覚のつながりから出発しています。色聴(音を聞くと色を感じる共感覚)の考え方をもとに、各フロアにそれぞれ独立した、リズム感のある色のアイデンティティを与えました。空間を移動するにつれて色が音符のようにゆっくりと展開し、視覚と感情が重なり合う空間の旋律が生まれます。サインシステムとしての識別性を高めながら、環境全体の体験も豊かにすることを目指しまし⁠た⁠。

フロアごとの色は、どのように決めたの⁠か⁠?

色彩計画では、「異なる音を聞くと異なる色を感じる」という共感覚の考え方を用いました。地下のB1からB7にそれぞれ一つの音名(C、D、E、F、G、A、B)と一つの色を対応させ、さらに周囲の環境に合わせて彩度を適度に抑えています。色に誘導の役割を持たせながら、空間の見た目を損なわないためです。文字は、中国語に文鼎方新書(Arphic の書体)、英語に Roboto を使い、一方向の案内では文字を中央揃え、双方向の案内ではそれぞれ左揃えと右揃えにするよう定めまし⁠た⁠。

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試作から実装まで、すべての工程を体験のた⁠め⁠に

設計の考え方を実際の空間に余すところなく反映させるため、素材の試作と現場テストを何度も重ね、ガラスの種類、釉薬の濃度、焼成温度、重ね方が、光や色、情報の読み取りやすさにどう影響するかを検証しました。そのうえで、視覚的な美しさ、ブランドの質感、サインシステムとしての機能の最適なバランスを見いだし、一面一面のサインでデザイン表現と使いやすさの両立を図っていま⁠す⁠。

一つのサインシステムを、異なるプロジェクトでどう使い分けるの⁠か⁠?

ブラッシュアップ案は一冊の規定集にまとめました。設置の推奨事項には、車路の吊り下げ式サインの下端を床から215cm以上とすること、共用部のサインは原則として扉の左側に設けること、階数の立体文字はエレベーターの向かい側の壁に、2基のエレベーターの中間に合わせて配置することなどが含まれます。棟名の立体文字などの素材は各プロジェクトの外観に合わせて変更し、駐車区画の全長・全幅は各プロジェクトの区画仕様に合わせて調整します。規定は駐車区画や衝突防止材のデザインにまで及び、各プロジェクトの地下でのサイン設置位置も一つずつ示しています。これらはあくまで目安であり、実際には掲示内容や現場の状況に応じて微調整し、設置時にも改めて現場の状況を確認する必要がありま⁠す⁠。

フロアカラーと共通規定には、どのような設計上の配慮があるの⁠か⁠?

SanFar のサインシステムでは、フロアカラーに誘導のしやすさと見た目の美しさの両方を求め、規定には現場での調整方法と文字組みのルールを定めていま⁠す⁠。

  • フロアカラーは周囲の環境に合わせて彩度を適度に抑えています。提案には、色に誘導の役割を持たせながら視覚的な美しさを損なわないための配慮であることが明記されていま⁠す⁠。
  • 規定に示した方法はあくまで目安で、掲示内容や現場の状況に応じて微調整できます。設置時には、改めて現場の状況を確認しま⁠す⁠。
  • 棟名の立体文字などの素材は各プロジェクトの外観に合わせて変え、駐車区画の全長・全幅は各プロジェクトの区画仕様に合わせて調整しま⁠す⁠。
  • 文字組みは案内の方向で使い分け、一方向の案内では中央揃え、双方向の案内では左揃えと右揃えにしていま⁠す⁠。

この事例は、どのような住宅プロジェクトの参考になるの⁠か⁠?

サインの規定を共通化したい場合や、フロアを色で区別したい場合、共用施設をわかりやすく表示したい場合は、この事例を参考にできま⁠す⁠。

  • 複数の住宅プロジェクトを手がけている場合は、素材や駐車区画をプロジェクトごとに調整できる規定のつくり方を参考にできま⁠す⁠。
  • 地下駐車場の階数が多い場合は、フロアごとに色を対応させる方法が参考になりま⁠す⁠。
  • 共用施設の種類が多いときは、一式でデザインしたアイコンの考え方を取り入れられま⁠す⁠。

参考にする際は、まずサインの種類を確認し、次にフロアカラーと設置の推奨事項を見ていくとよいでしょ⁠う⁠。

サインシステムの計画からデザイン、施工までの進め方は、サインシステム計画のページにまとめていま⁠す⁠。

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完了時期
プロジェクトマネジメント
デザインリーダー
デザイナー
協力会社
書体

2025.10
蘇連捷
李奕臻
吳俊賢、葉子豪、李品蓁
三美藝術玻璃(San-Mei Art Glass)
Morisawa Arphic(森澤文鼎)

貴社の空間にも、サインシステムが必要です⁠か⁠?

平面図と、いまお困りのことをお送りください。Hand-Heart は現地調査、動線診断、サイン設置位置の評価を無料で行い、必要なのは一式のシステムなのか、部分的な調整で足りるのかを率直にお伝えしま⁠す⁠。

無料の動線診断を予約する →

お電話でも承ります:+886-7-285-7000|[email protected]

情報デザイン|United Way of Taiwan

Design Concept

United Way of Taiwan(聯合勸募)の『2025年 成果レビュー』では、Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)が情報デザインを担当しました。両者の協働は5年連続となります。テーマは「私たちは誰もが、この世界のシャベル・ヒーローになれる」です。1年間の活動と成果を四つの章に分け、ヒーローコミックのコマ割り、手描きのキャラクター、黄と青の配色で、インフォグラフィックと情報の優先順位を整理していま⁠す⁠。

一コマずつ、支援がもたらす変化を見えるかた⁠ち⁠に

5年連続で、私たちは United Way of Taiwan(聯合勸募)とともに1年間の活動と成果を整理してきました。情報デザインによって膨大なデータと社会貢献の物語を理解しやすくし、一つひとつの支援がもたらした変化をはっきりと見えるようにする方法を考えていま⁠す⁠。

昨年は「寄付のヒーローズ・ジャーニー」として、一件の寄付が人を助ける力へと変わっていく道のりを描きました。今年は「シャベル・ヒーロー(Shovel Heroes)」をテーマに、日々の暮らしのなかで善意を行動に移し、社会のほころびを繕い続ける人々へと視点を移しています。「シャベル・ヒーロー」が伝えるヒーロー像から、古典的なヒーローコミックの視覚言語をインフォグラフィックにまで広げ、1年間の成果をヒーローの物語のように一コマずつ展開しました。
資訊視覺化 設計|聯合勸募 United Way of Taiwan|手心設計事務所(作品圖 2)

この成果レビューは、どのような章立てになっているの⁠か⁠?

提案では、内容を四つの章に分けました。Chap 1「深淵が生まれる前に」は、問題が深淵になる前に、毎日黙々と穴を埋めている人々の章です。Chap 2「社会の修理ステーションはどう動いているか」では、365日の支えと、手の届かないところを補う働きを描きます。Chap 3「受け止められた後で」は、事態がそれ以上悪化しないようにする取り組みの章です。Chap 4「2025-社会修理完了リスト」は、年間成果の総覧とインパクトマップで締めくくっていま⁠す⁠。

膨大なデータとサービス情報を整理するために、コミックのコマ割り、コマをまたぐ構図、吹き出し、インフォグラフィックを用いて情報の優先順位を整理し直しました。さらに、網点、スピード線、手描きのキャラクター、彩度の高い黄と青の配色といったコミックならではの表現を加え、すっきりとしながらも質感のある色調に仕上げています。読み心地をきめ細かく整え、客観的な情報に物語性とヒーローらしさを与えました。リズムのある構図と情報の階層づけによって、内容どうしの関係を直感的に理解し、共感しやすい構成にしています。

資訊視覺化 設計|聯合勸募 United Way of Taiwan|手心設計事務所(作品圖 3)

デザインはどのような順序で仕上がっていったの⁠か⁠?

2026年4月2日(ファイルの日付による)のラフ案では、まずグレースケールの線画で四つの章のコマ割りレイアウトとイラストを配置し、各ブロックは後の段階で配色を変えて区別することを書き添えました。4月27日の初稿案では黄や青などの配色で章を区別し、この時点では、第3章と第4章のイラストを次回の提案で仕上げると注記しています。5月15日の版では四つの章すべてにイラストが入り、プロジェクトは2026年5月に完了しまし⁠た⁠。

デザインの役割は、情報を読みやすくすることだけでなく、読むことを理解への入り口にすることだと私たちは考えています。一件の寄付、一つの資源から、実際に起きた一つひとつの変化まで⁠——情報デザインによって、United Way of Taiwan の1年間の活動と成果がよりはっきりと見えるようになることを願っています。そして、5年間で積み重ねてきたブランド資産によって、一つひとつの支援の背後にある力が、さらに遠くまで届いていけばと思っています。

この事例は、どのようなパートナーの参考になるの⁠か⁠?

成果レビューの制作で次のような状況にある場合は、United Way of Taiwan の事例の進め方を参考にできま⁠す⁠。

  • 毎年の成果レビューに新しさを出したい場合は、ヒーローコミックのコマ割りや手描きのキャラクターを参考にできま⁠す⁠。
  • 成果レビューのデザイン範囲を検討している段階なら、四章構成、インフォグラフィック、年間成果の総覧という組み立てが参考になりま⁠す⁠。

参考にする際は、まず章立てを決め、そのあとでインフォグラフィックと情報の優先順位を整えるとよいでしょ⁠う⁠。

年次の成果レビューにおける章立てとインフォグラフィックは、ビジュアルデザインの応用例で⁠す⁠。

資訊視覺化 設計|聯合勸募 United Way of Taiwan|手心設計事務所(作品圖 5)

完了時期
プロジェクトマネジメント
デザインリーダー
デザイ⁠ナ⁠ー

 

2026.05
蘇連捷
李奕臻
李品蓁

 

 

サステナビリティレポート デザイン|EVA Air 2024年版

Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)は、2年連続で EVA Air(エバー航空)のサステナビリティレポート(2024年版)をデザインしました。表紙では手描きのイラストと幾何学的な色面で航路の動きを表し、愛媛、神戸、ヒューストン、ダラス、台北101といった就航地のランドマークを描き込んでいます。本文はブランドグリーンを基調とした2色の配色システムで章立てと誌面全体を統一し、サステナビリティ情報をすっきりと読み進められるようにしました。このレポートはエバー航空の2024年度のサステナビリティ情報をまとめたもので、プロジェクトは2025年8月に完了しまし⁠た⁠。

エバー航空のサステナビリティレポートで、デザインが解決すべき課題と⁠は⁠?

エバー航空のサステナビリティレポートのデザインでは、章の階層構造、開示基準の索引、そして中国語版・英語版と電子ブック版の編集に対応する必要がありまし⁠た⁠。

  • 全体は七つの章と付録で構成され、各章に3〜4の節があり、目次には序文も含まれていま⁠す⁠。
  • 付録には、GRI、SASB などの開示基準の索引と、上場企業の気候関連情報の実施状況を示す対照表が収められていま⁠す⁠。
  • 本文は中国語版と英語版に分けて編集し、電子ブック版では上部のインデックスタブとページ番号をページ右側にまとめていま⁠す⁠。

表紙では、航路と就航地をどのように絵にしたの⁠か⁠?

2年続けて EVA Air(エバー航空)のサステナビリティレポートをデザインしました。ブランドが一貫して打ち出してきた国際的な視野と専門的なイメージを受け継ぎながら、今年は手描きのイラストで幾何学的な色面を分割・交差させ、航路の動きと就航地のつながりを表していま⁠す⁠。

画面には愛媛、神戸、ヒューストン、ダラス、そして台北101などのランドマークを描き込み、昼も夜も移り変わり続ける空の色を重ねることで、世界を結ぶ航路の密接なつながりと、多様な風景をめぐる旅を表現していま⁠す⁠。

2025年2月の表紙の初稿案では、二つの方向性を提示しました。A案は、幾何学的な色面の分割と交差で世界各地を行き交う動きを表し、就航地のランドマークと時間帯ごとの空の色を取り入れたものです。B案は、飛行機が空を横切って描く笑顔のような曲線とグラデーションの光で、温かく専門性のあるサービスを伝えるものでした。2025年4月の本文レイアウト規定の提案に含まれる表紙のブラッシュアップ案と見比べると、A案の構成が引き継がれている一方、ランドマークの組み合わせには調整が見られま⁠す⁠。

ブランドグリーンの2色配色を、七つの章にどう展開したの⁠か⁠?

本文はブランドグリーンを基調とした2色の配色で設計し、章立てと誌面構成を一貫させることで、すっきりと流れるように読めるようにしていま⁠す⁠。

全体は「エバー航空について」「サステナビリティ経営の実践」「新しいフライト体験の創造」「企業のレジリエンスの構築」「働きがいのある職場づくり」「ネットゼロへの行動」「社会との共生に向けて」の七つの章と付録で構成されています。各章の扉ページは飛行機の窓をメインビジュアルに、章ごとに異なる風景のイラストや機内の情景を組み合わせ、扉ページのメインカラーはグリーンとオレンジが交互に入れ替わりま⁠す⁠。

本文レイアウト規定の提案では、2組の章カラーを章ごとに交互に使っています。レポート全体の色がにぎやかになりすぎるのを避けるためです。レイアウトは12カラムを単位とし、3/9、4/8、5/7、6/6などのカラムの組み合わせに分割できます。文字は薄いグレーの版面内に収め、イラストや写真は版面からはみ出して配置できるようにしました。上部のインデックスタブは章カラーに合わせて色が変わり、電子ブック版ではインデックスタブとページ番号をページ右側にまとめていま⁠す⁠。

本文のレイアウトは、中国語版と英語版の2種類を制作しました。2025年6月(ファイルの日付による)には、中国語版の全体校正が2回行われていま⁠す⁠。

エバー航空 2024年版サステナビリティレポートの各章の扉ページと付録を並べた画像。扉ページは飛行機の窓をメインビジュアルに、異なる風景のイラストや機内の情景を組み合わせ、メインカラーはグリーンとオレンジが交互に入れ替わる

 

本文のデータやプロセスは、どのように見せているの⁠か⁠?

第1章を例にとると、扉ページに1-1から1-4までの節を並べ、ページをめくった先の「1-1 営業概況」では世界地図と割合を示すドーナツグラフを組み合わせ、「1-2 財務実績」では棒グラフ、ドーナツグラフ、複数年度のデータ表を並べています。別の本文ページでは、「顧客意見の処理フロー」を Step 1 から始まるステップ図にまとめ、その上に NPS(ネット・プロモーター・スコア)の折れ線グラフを配置しまし⁠た⁠。

エバー航空 2024年版サステナビリティレポート第1章「エバー航空について」の扉ページ。オレンジの窓から主翼が見え、左下に1-1から1-4の節を記載。右ページは1-1 営業概況で、世界地図と割合を示すドーナツグラフを掲載

 

エバー航空 2024年版サステナビリティレポートの本文ページ。「顧客意見の処理フロー」を、意見の受付経路を示す Step 1 から始まるステップ図で表し、上部に NPS(ネット・プロモーター・スコア)の折れ線グラフを配置

 

エバー航空 2024年版サステナビリティレポート「1-2 財務実績」の見開き。オレンジとグリーンの棒グラフ、年度ごとのドーナツグラフ、複数年度の財務データ表で構成

 

これらのデザイン規定は、それぞれどんな課題に応えるためのもの⁠か⁠?

エバー航空の本文規定では、章の配色、図版と文字のレイアウト、文字の階層、アイコンとグラフを定め、最後に実際の内容で試し組みを行いました。章カラーとレイアウトの意図は、提案に明記されていま⁠す⁠。

  • 章カラー:2組の章カラーを交互に使います。提案には、レポート全体の色がにぎやかになりすぎるのを避け、簡潔で読みやすくするためと明記されていま⁠す⁠。
  • レイアウト:誌面を12カラムで分割し、文字は薄いグレーの範囲内に収め、イラストや写真はその範囲を越えて配置できます。提案には、レイアウトに豊かな変化をもたせるためと明記されていま⁠す⁠。
  • 文字の規定:第1〜第3階層の見出し、図表タイトル、キャプションと注記、本文のそれぞれに書体、文字サイズ、ウエイトを定め、英数字と中国語には別々の書体を用いていま⁠す⁠。
  • アイコンとグラフ:アイコンとグラフの基本規定はレイアウトの拠り所となるもので、サイズやカラムの長さは情報に応じて調整でき、色も微調整できま⁠す⁠。
  • 本文の試し組み:提案の最終節では、序文、サステナビリティ経営、サステナブルなサプライチェーン管理の実際の文章と図表で本文ページを組み、規定を当てはめた後の見え方を示していま⁠す⁠。

この事例は、どのような企業や組織の参考になるの⁠か⁠?

サステナビリティレポートが次のような状況にある場合は、エバー航空の事例の進め方を参考にできま⁠す⁠。

  • 章の数が多く、付録に開示基準の索引や気候関連情報の対照表がある場合は、章カラーと文字の階層の規定を参考にできま⁠す⁠。
  • 中国語版と英語版、さらに電子ブック版もそろえる必要があるなら、レイアウトの組み方と、電子ブック版のインデックスタブやページ番号の配置計画が参考になりま⁠す⁠。

参考にする際は、まず章と付録を整理し、次に色彩・レイアウト・文字の規定を定め、最後に実際の文章と図表で試し組みをするとよいでしょ⁠う⁠。

自社のサステナビリティレポートを計画中であれば、Hand-Heart のサステナビリティレポートのデザインサービスをご覧ください。発注の前にサステナビリティレポート デザイン要件リストを使って、レポートの範囲、制作する版、校正、納期を整理しておくこともできま⁠す⁠。


完了時期
ゼネラルマネージャー
プロジェクト企画
デザイ⁠ナ⁠ー

2025.08
徐志揚
黃詩涵
張嘉育、徐⁠維⁠志