Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)の2025年・巳年の年賀カードが、2026年ドイツ・レッドドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)を受賞しました。「蛇の脱皮」を中心のモチーフに据え、引き出し式のカードスリーブで、蛇が脱皮して生まれ変わる過程を描いています。中には蛇の鱗の紋様を受け継ぐ3種類の紅包(お年玉袋)を収め、箔押しと鮮やかな配色で祝福、温かさ、そして限界を突破する力を表しました。新しい一年へ踏み出すエネルギーを届けるカードです。
本作品は、2026年ドイツ・レッドドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)を受賞しました。Hand-Heart は、どの案件にも同じ物差しで向き合うべきだと考えています。年賀カードも大規模なコーポレートアイデンティティ(CIS)のプロジェクトと同じく、コンセプトの発想から素材選び、印刷加工まで一つずつ検証しています。Hand-Heart の受賞歴をすべて見る →
Design Concept
Hand-Heart の2025年・巳年の年賀カードに込めたものとは?
2025年を振り返ると、Hand-Heart の年賀カードは「蛇」を中心のモチーフに据えていました。カードスリーブを引き出す仕掛けで、蛇が脱皮し、姿を変えていく過程を描いています。層を重ねるように移り変わる蛇の紋様には、その一年、挑戦に向き合いながら自らを解体し、組み立て直し続けた私たちの姿も映し出されています。
スリーブと3種類の紅包で、蛇の脱皮をどう表したのか?
中に収めた3種類の紅包(お年玉袋)は、蛇の鱗の紋様を受け継ぎ、それぞれ異なる色で2025年への思いを表しています。
赤系の地に箔押しの鱗を重ねたものは祝福と温かさを、鮮やかに弾む蛇の紋様の配色は、限界を突破する力、創造、そしてまだ見ぬ未来を表しています。
祝福を形だけで終わらせず、新しい一年へ向かうエネルギーにつなげたいと考えました。
この年賀カードは、コンセプトから完成までどう進んだのか?
2024年12月11日(ファイルの日付による)のデザイン検討では、二つのコンセプトの方向性が示されました。一つは、外袋を破って開く動きで蛇の脱皮を表し、開くと中から紅包が現れる案です。もう一つは銀色の蛇とリンゴを組み合わせた案で、中国語で「もったいなくてかじれない」を意味する言葉と音が通じる「蛇不得咬」という語呂合わせから発想しています。続く12月18日には、5種類の地色に金と白の2層の図柄を重ね、ランダムに組み合わせて異なる紋様をつくる方法を試しました。
同じくファイルの日付で見ると、12月25日にはスリーブを引き出し式の構造として提示し、グレー地とブラウン地の2通りで引き出したときの見え方を示して、紅包との組み合わせも確かめています。12月30日には、紅包を3組に整理しました。扇形の鱗紋を用いた深紅とコーラルレッドの組、円形の鱗紋を用いた青紫とマゼンタの組、そしてオレンジとマゼンタの鱗紋を用いた組です。このページの完成品と見比べると、グレーのスリーブの表面には白と金の鱗で構成した蛇の姿が印刷され、側面には「PLEASE PULL」と記した円形のつまみが付いています。3種類の紅包のうち、赤系に箔押しの鱗紋を施した2点は扇形の鱗紋の組に近く、マゼンタ、イエローグリーン、白の円形の鱗紋で構成した1点は、円形の鱗紋の組のマゼンタ版に近いものです。
この事例は、どんな年賀カードづくりの参考になるのか?
年賀カードづくりで次のような状況にある場合は、この事例の進め方を参考にできます。
- 毎年のカードに新しさを出したい場合は、地色に金と白の図柄を重ねていく紋様の試作を参考にできます。
- カードの形式と加工をあわせて決めたい場合は、引き出し式のスリーブと、紅包に施した箔押しの鱗との組み合わせも参考になります。
参考にする際は、まず紋様を試作し、そのあとで引き出し構造と箔押しの組み合わせを検討する順に進めるとよいでしょう。
この年賀カードのビジュアルデザインには、蛇の鱗の紋様、引き出し式のスリーブ、紅包の箔押しの鱗が含まれます。











































