Hand-Heart Design Firm(手心設計事務所)は、2年連続で EVA Air(エバー航空)のサステナビリティレポート(2024年版)をデザインしました。表紙では手描きのイラストと幾何学的な色面で航路の動きを表し、愛媛、神戸、ヒューストン、ダラス、台北101といった就航地のランドマークを描き込んでいます。本文はブランドグリーンを基調とした2色の配色システムで章立てと誌面全体を統一し、サステナビリティ情報をすっきりと読み進められるようにしました。このレポートはエバー航空の2024年度のサステナビリティ情報をまとめたもので、プロジェクトは2025年8月に完了しました。
エバー航空のサステナビリティレポートで、デザインが解決すべき課題とは?
エバー航空のサステナビリティレポートのデザインでは、章の階層構造、開示基準の索引、そして中国語版・英語版と電子ブック版の編集に対応する必要がありました。
- 全体は七つの章と付録で構成され、各章に3〜4の節があり、目次には序文も含まれています。
- 付録には、GRI、SASB などの開示基準の索引と、上場企業の気候関連情報の実施状況を示す対照表が収められています。
- 本文は中国語版と英語版に分けて編集し、電子ブック版では上部のインデックスタブとページ番号をページ右側にまとめています。
表紙では、航路と就航地をどのように絵にしたのか?
2年続けて EVA Air(エバー航空)のサステナビリティレポートをデザインしました。ブランドが一貫して打ち出してきた国際的な視野と専門的なイメージを受け継ぎながら、今年は手描きのイラストで幾何学的な色面を分割・交差させ、航路の動きと就航地のつながりを表しています。
画面には愛媛、神戸、ヒューストン、ダラス、そして台北101などのランドマークを描き込み、昼も夜も移り変わり続ける空の色を重ねることで、世界を結ぶ航路の密接なつながりと、多様な風景をめぐる旅を表現しています。
2025年2月の表紙の初稿案では、二つの方向性を提示しました。A案は、幾何学的な色面の分割と交差で世界各地を行き交う動きを表し、就航地のランドマークと時間帯ごとの空の色を取り入れたものです。B案は、飛行機が空を横切って描く笑顔のような曲線とグラデーションの光で、温かく専門性のあるサービスを伝えるものでした。2025年4月の本文レイアウト規定の提案に含まれる表紙のブラッシュアップ案と見比べると、A案の構成が引き継がれている一方、ランドマークの組み合わせには調整が見られます。
ブランドグリーンの2色配色を、七つの章にどう展開したのか?
本文はブランドグリーンを基調とした2色の配色で設計し、章立てと誌面構成を一貫させることで、すっきりと流れるように読めるようにしています。
全体は「エバー航空について」「サステナビリティ経営の実践」「新しいフライト体験の創造」「企業のレジリエンスの構築」「働きがいのある職場づくり」「ネットゼロへの行動」「社会との共生に向けて」の七つの章と付録で構成されています。各章の扉ページは飛行機の窓をメインビジュアルに、章ごとに異なる風景のイラストや機内の情景を組み合わせ、扉ページのメインカラーはグリーンとオレンジが交互に入れ替わります。
本文レイアウト規定の提案では、2組の章カラーを章ごとに交互に使っています。レポート全体の色がにぎやかになりすぎるのを避けるためです。レイアウトは12カラムを単位とし、3/9、4/8、5/7、6/6などのカラムの組み合わせに分割できます。文字は薄いグレーの版面内に収め、イラストや写真は版面からはみ出して配置できるようにしました。上部のインデックスタブは章カラーに合わせて色が変わり、電子ブック版ではインデックスタブとページ番号をページ右側にまとめています。
本文のレイアウトは、中国語版と英語版の2種類を制作しました。2025年6月(ファイルの日付による)には、中国語版の全体校正が2回行われています。

本文のデータやプロセスは、どのように見せているのか?
第1章を例にとると、扉ページに1-1から1-4までの節を並べ、ページをめくった先の「1-1 営業概況」では世界地図と割合を示すドーナツグラフを組み合わせ、「1-2 財務実績」では棒グラフ、ドーナツグラフ、複数年度のデータ表を並べています。別の本文ページでは、「顧客意見の処理フロー」を Step 1 から始まるステップ図にまとめ、その上に NPS(ネット・プロモーター・スコア)の折れ線グラフを配置しました。



これらのデザイン規定は、それぞれどんな課題に応えるためのものか?
エバー航空の本文規定では、章の配色、図版と文字のレイアウト、文字の階層、アイコンとグラフを定め、最後に実際の内容で試し組みを行いました。章カラーとレイアウトの意図は、提案に明記されています。
- 章カラー:2組の章カラーを交互に使います。提案には、レポート全体の色がにぎやかになりすぎるのを避け、簡潔で読みやすくするためと明記されています。
- レイアウト:誌面を12カラムで分割し、文字は薄いグレーの範囲内に収め、イラストや写真はその範囲を越えて配置できます。提案には、レイアウトに豊かな変化をもたせるためと明記されています。
- 文字の規定:第1〜第3階層の見出し、図表タイトル、キャプションと注記、本文のそれぞれに書体、文字サイズ、ウエイトを定め、英数字と中国語には別々の書体を用いています。
- アイコンとグラフ:アイコンとグラフの基本規定はレイアウトの拠り所となるもので、サイズやカラムの長さは情報に応じて調整でき、色も微調整できます。
- 本文の試し組み:提案の最終節では、序文、サステナビリティ経営、サステナブルなサプライチェーン管理の実際の文章と図表で本文ページを組み、規定を当てはめた後の見え方を示しています。
この事例は、どのような企業や組織の参考になるのか?
サステナビリティレポートが次のような状況にある場合は、エバー航空の事例の進め方を参考にできます。
- 章の数が多く、付録に開示基準の索引や気候関連情報の対照表がある場合は、章カラーと文字の階層の規定を参考にできます。
- 中国語版と英語版、さらに電子ブック版もそろえる必要があるなら、レイアウトの組み方と、電子ブック版のインデックスタブやページ番号の配置計画が参考になります。
参考にする際は、まず章と付録を整理し、次に色彩・レイアウト・文字の規定を定め、最後に実際の文章と図表で試し組みをするとよいでしょう。
自社のサステナビリティレポートを計画中であれば、Hand-Heart のサステナビリティレポートのデザインサービスをご覧ください。発注の前にサステナビリティレポート デザイン要件リストを使って、レポートの範囲、制作する版、校正、納期を整理しておくこともできます。
完了時期
ゼネラルマネージャー
プロジェクト企画
デザイナー
2025.08
徐志揚
黃詩涵
張嘉育、徐維志
